相続通信 2019年7月号
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相続の承認

 

相続の承認方法は、いくつかの種類があります。今回は、その種類ごとに見ていきたいと思いますます。

単純承認

単純承認とは、被相続人のすべての財産を引き継ぐことをいいます。すべての財産の中には、マイナスの財産、つまり借金などの債務も含まれます。相続の際、一番多い承認方法がこの単純承認になります。

相続放棄

相続放棄とは、その名の通り被相続人の財産を相続により取得する権利を放棄することをいいます。借金などの債務は、被相続人の財産を処分しても支払えない場合には、相続人にその請求がされることになります。そのため、財産より借金などの債務が多い債務超過の状態になっている場合などに行われます。
相続放棄をする場合には、相続の開始があったことを知った日から3ヶ月以内に裁判所に申述しなければなりません。また、一度相続の放棄をした場合には、基本的に取り消しをすることができません。

限定承認

限定承認とは、被相続人から相続により取得した財産の範囲内で、借金などの債務を支払うことをいいます。債務超過ではあるものの、どうしても取得したい財産がある場合などに行われます。
限定承認をする場合には、相続放棄と同様に、相続の開始があったことを知った日から3ヶ月以内に裁判所に申述しなければなりません。また、一度相続の放棄をした場合には、基本的に取り消しをすることができません。


また、限定承認には、以下のデメリットがあります


・相続の放棄は、それぞれの相続人が単独で行うことができますが、限定承認は相続人全員が共同で申述しなければならないため、一人でも反対する相続人が居れば、申述することができません。
・限定承認したときは、「相続開始時に、その時の時価で、被相続人から相続人に対して、相続財産の譲渡があったものとみなす」とされています。そのため、被相続人に譲渡所得が発生し、所得税を収める必要があります。
・取得しなかった財産については、財産の換価手続をおこない、債務者への支払に充てられます。そのため、相続財産管理人を専門家に頼む必要があります。

前述しましたが、相続放棄・限定承認は、3ヶ月以内に行わなければなりません。

財産評価には時間がかかりますので、相続の前にシミュレーショをしておくことをおすすめします。

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